こんにちは、TETSUです。
今までには、Jリーグやリーガ・エスパニョーラの試合分析は行っていましたが、今回は初となるナショナルチームの試合、日本代表の試合分析をします。
日本代表VSコスタリカ代表の試合です。
日本代表以外にもナショナルチームの場合だと、どうしてもチームの戦術面や完成度がクラブチームよりも低くなるので、クラブチームの分析の方が面白くて勉強にもなり分析のやり甲斐があるので好きです。
今回の日本代表の試合もそのように、戦術的に完成された良いものではなく感じたので、そこまで深くは分析できませんでしたので、軽い気持ちで見ていただけると嬉しいです。
ですが、ナショナルウィークはワールドカップ後での初とのことで、どの国の代表も少なからず変化していますし、今週はどのリーグもお休みなので日本代表の分析をしました。
日本代表のシステム
今回の試合は森保監督が日本代表のトップチームの監督に就任しての初戦ということで、新しい選手を見る目的で集められた選手が多いですね。
もちろん4年後のワールドカップも見据えてのサッカー日本代表チームの始動ですが、まだまだ時間があるのでまずは1月から始まるアジアカップのメンバーへと繋がります。
監督としては少しずつメンバーを絞っていき、主力となる海外でプレーしている選手をどう組み合わせるのかですが、今回の試合では出場した全員がみな合格点のような出来だったので、どうメンバーを絞っていくのかが監督の基準が気になります。
今回の日本代表のシステムは「1-4-4-2」です。
下の画像です。
U-23では3バックも使用している森保監督ですが、今回は4-4-2ということで私的には少し疑問点もありますが、結果よりも選手を試す事などに着目してのシステムでしょう。
後半に18番天野を投入して「1-4-2-3-1」の並びに変更したことからも、各ポジションで選手を見て試しているという印象が強いです。
日本のオフェンス面
最初にも記載しましたが、今回の日本代表の試合はそこまで深く分析は出来ていないので、オフェンス面とディフェンス面から主に1つの事に関して。
まずは日本代表のオフェンス面、サイドの受け方動き出しについて。
コスタリカ代表のシステムは下の画像の通りです。
コスタリカは「1-4-5-2」のようなシステムで、守備時には両サイドが下がって5バックになります。
このシステムでフリーになりやすいのは日本のサイドバックです。
下の画像です。
コスタリカ代表は日本代表のSBへのプレスが遅れています。
日本代表の攻撃はカウンターも併用する攻撃の種類(Ataque Directo)で、早く前にボールを運ぶ事もありSBがオーバーラップをする事も多いです。そのためSBの位置が高くなることもありますが、日本のDFラインなど低い位置からポゼッションをしてボールを運ぶ際にSBが低い位置でボールを受けると時間があります。
この日本代表のサイドバックに、コスタリカ代表は中盤の選手がプレスに行っていました。この場合だと2FWが4枚のディフェンスにプレスに行くのが主流ですが。
そこで日本のSBがボールを受けた時に、その前にいるサイドの選手(中島と堂安)がサイドに張っていると相手のサイドの選手もサイドに寄ったままになるのでボールを受けにくくなる事がありました。
前半から左サイドの中島は、佐々木との縦の関係でそこを崩している場面もありました。
例えば19分。下の画像です。
中島が降りてきて、相手のサイドの選手を引き付けた時にSBの佐々木が裏まで走ります。
そのまま簡単にボールを相手陣内の深い位置まで運びました。
ですが、右サイドの堂安は中に寄ってボールを受けようとしている事が多かったです。(試合開始直後はサイドに広がっている事も多かったが)
SB含め、低い位置で日本がボールを保持している時に2トップが下がって来てポストプレーをしてボールを引き出す動きが日本代表の1つの形として見られました。
相手の中盤やFWが日本のSBにプレスに行くと、堂安などが中でサポートをしても別に良いのですが、中で受けようとすると日本のFWと動きが被ってしまう事や、コスタリカの守備を縦にも横にも広げられずに相手のCBなども特に動かなくなります。
ですが相手のサイドの選手がプレスに行った際には、サイドで受ける準備をした方が良いです。もちろんサイドにスペースが生まれるからなのですが、それにより相手CBを釣り出せて前線で数的同数を作れます。
22分のシーン、下の画像もそうです。
この時は、本来日本のSBにプレスをするコスタリカの中盤が遅れている事もあり、サイドの選手がプレスに言っています。
少し低い位置ですが、最初は堂安が中へ絞っていて、その後はサイドに広がりましたが中に入りすぎていた為にサイドへのパスコースを確保出来ませんでした。
特に右サイドでは堂安が中でプレーすることによって、相手のサイドをSBに釣り出せる事が多かったのですが、その後にサイドへのパスコースがなかったので室屋は無理やり中にパスをするしかなかったのですが、中だと相手のプレスも受けやすいので良いリズムではあまり繋がりませんでした。
相手のサイドの選手が出てきた時には有効にサイドで受けると、近い距離を保っていたコスタリカの3枚CBも1人が出さざるを得ないので、相手の守備にズレが生まれます。
もちろん中で受けて反転できればハーフスペースにも侵入できるので、中で受ける事が良い悪いというのは状況や質によります。
解説の北澤さんは、「少し左寄りに攻撃がしており堂安は内側に入ってきている、バランスを取っている為」などと言っていましたが、私はバランスを取るならサイドに広がるべきだと思いました。
ディフェンス面
恐らく、この試合を見ていた方なら誰もが感じていたと思いますが、コスタリカのDFラインからサイドへのビルドアップやサイドチェンジに日本は対応できていませんでした。特に試合の前半です。
下の画像です。
この時もコスタリカのCBに余裕があり、気持ちよくサイドにボールを蹴られています。
ですが、このサイドに張っている選手へのパスをカットしたりパスを出させなかったりするのはほぼ不可能です。今シーズンのセビージャもこのようにサイドに張っている選手がいて、この選手にボールを繋げようともしていますが、ボールを持っていないチームが中に絞るのは当たり前なので、サイドの広い位置でボールを受けるのはそこまで難しくありません。
問題なのは、その時の他の選手への対応とボールを蹴る選手らへのプレスです。
まず、サイドで受けた選手からスムーズに他の選手にボールが渡っては、スライドをした時のマークのズレから相手に攻め込まれることがあります。
サイドにロングボールを出させる時に、他の選手へのマークがズレている事があり、危険だと感じました。(主に、佐々木と室屋の両SBがボールを受けたサイドにプレスに行くが、それまでは他の選手をマークしていたところからのズレ。)
実際にロングボールのサイドチェンジから、他の選手にスムーズにボールが渡っている場面もありました。
また、日本の守備は少し下がり目で、そこまで前線からのプレスはかけていませんでした。相手の3CBには日本のFW2人でプレスに行こうとしていましたが、相手の3CB同様に日本の2トップも広がってしまい、2人のプレスが連動していませんでした。
先程の画像でも、2トップは広がりすぎてしまっています。
ロングボールを蹴らせまいと激しくプレスに行くと、コスタリカの中盤のグスマンとクルスは下がって日本の中盤とFWの間に入りボールを受けます。コスタリカは攻撃の時に、中盤のグスマンが少し下がって守備時の逆三角形のような並びになる時間が多かったです。
先程書いたマークのズレと同じく、日本の中盤の2人が付くべき相手を捕まえていない状態です。
下の画像でもそうです。
初戦で時間が限られていた中で難しいとも思いますが、前半の時間内に対応できたら良かったと思いますし、それが出来るか出来ないのかは監督の力量次第です。
ご覧いただきありがとうございました。
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