こんにちは、TETSUです。
今回も、Jリーグの横浜F・マリノスの試合分析を行っていきます。
先日の水曜日に行われた「横浜F・マリノスvs名古屋グランパス」の試合です。
ついついじっくり試合を見てしまって時間がかかったり、忙しくて上手く時間が作れなかったりで、この試合から数日間空いてしまいました。
横浜F・マリノスについては、以前にもブログで試合分析を行いました。
「横浜F・マリノスVS湘南ベルマーレ、試合分析2ディフェンス面」
一記事目の試合分析では、今シーズンのマリノスの課題などにも少し触れているので、よろしければ先に御覧くださいませ。
横浜F・マリノスのシステム
今回の名古屋グランパス戦のマリノスはこれまで戦っていた「1-4-3-3-」のシステムから、「1-3-6-1」に変更をしてきました。
この試合のシステムとスタメンは下に画像があります。
まぁ、先週までのマリノスは、全員がシステム通りにプレーしている時間が少なく、多くの選手が型にハマっていない動きをしていたので、システム変更をしても大本は変わらないような気もします。
ですが、2CBから3バックに変わったり、中盤の枚数が増えたりと、守備と攻撃どちらの時間でも今までとは異なる点が多いでしょう。
実際に、試合を見てみたらそのような違いは多かったです。
このスタメンを見て、最初に心配をしたのは選手たちのコンディションです。
前節から中3日で9人が同じスタメンです。先日までの3連敗していたときと似ている状況であり、4日前の試合では勝ったとはいえ、暑い夏には厳しいコンディションでしょう。
また、3バックの影響で各サイドが1人だけなので、運動量が上がることも予想されますが、そのサイドの2人も前節にフル出場しています。
横浜F・マリノスのオフェンス面
マリノスの攻撃での狙いは、今までと変わらないようでした。
前回での試合分析でもご説明しましたが、マリノスの攻撃のイメージは…
「ポゼッション(ボール保持)を低い位置からGKと共に実行して前進するが、前線の3人に繋げられるのであればシンプルに早く託す」
といった感じで、この普段とは違うシステムでも、裏への抜け出しは狙っていました。
ですが、名古屋グランパスのプレッシャーの連動性が特に前半は素晴らしかったこともあり、マリノスの後ろから裏へのパスの成功は1つだけでした。
前節の湘南戦では、この裏へのパスがもっと繋がっていた印象です。
マリノスは、相手を前線に引き付けて、空いた裏へのスペースを狙っていましたが、
最初の相手を引き付ける段階で、苦戦していました。
「①3バックからその前の2人のボランチにボールを当てられない」、「②3バックとその前の2人のボランチから前にボールが運べない」
という事が多かったです。
マリノスが自陣の低い位置でのビルドアップをしている際には、名古屋の前線6人の選手が前からプレッシャーに行き、ハメに行っていました。
その時には、先程①の2人のボランチにボールを渡すことすら難しかった印象です。
名古屋の方が、そのマリノスの2人の所で奪うという狙いがあったこともありますが、、、
下の画像でも、マリノスの2人のボランチへのパスコースがほぼなく、そこを名古屋の守備が狙っている事がわかります。(この時のマリノスの攻撃方向は左です。)
そして、2人に渡ったとしても、先程②となるその前の選手に効果的にボールが入りません。
もう少し前線の、ハーフェーラインの位置からのビルドアップでも同じような状況になっていました。
そのような状況があった為、ボランチの扇原が3バックまで下がり、ボールを受ける羽目にもなる場面が数回ありました。
下の画像です。
流石にこういう状況にはあまりなって欲しくありませんでした。
というのも、これは前節までの4バックでのマリノスと同じであり、3バックにしているのにこれを行うと、1人無駄になるので3バックにした意味がなくなります。
だからといって、これによりディフェンダーの誰かがオーバーラップをしている訳でもありません。
別にこれが悪いプレーということでもありません。
キック精度の高いボランチの扇原から裏へのロングボールを狙ったり、下がって受けることによって相手のプレッシャーにズレが生じたり、もっと攻撃にリズムが出たりもしますが、その為にやったのではなく、相手にそうやらされた感じの下がり方でした。
現に、この試合ではそのような場面から裏へのパスが出ていません。
練習時間が少ないなどもあるとは思いますが、今まで2CBで行っていた低い位置のビルドアップに1枚増やした3バックだからといって、すぐに上達するわけではないということです。
それらビルドアップ時の上手くいかなかった原因としては、
・名古屋のプレッシャーの方法と連動性 ・マリノスの中盤4枚の動きの少なさとタイミングの悪さ
でしょう。
名古屋は、マリノス陣地の深めの場所であればプレッシャーをかけて、ボランチのところでのパスカットを狙っていました。
先程の画像でも名古屋がボランチ狙いでプレッシャーに来ているのがわかります。
ですが、そこが抜けそうになる、ロングボールで前線に蹴られると、早い戻りで守備を組みます。
マリノスの攻撃の縦への速さが無い事が多く、引かれた相手になるとマリノスの課題が目立ちます。(ちなみに早くカウンターをすれば相手ゴールに迫るシーンもありましたし、マリノスの得点もファール後のリスタートを早くして早く攻めた結果です。)
今回の試合に関してだけ言えば、
・効果的に幅が取れずに相手を広げられなかった
ことがあるでしょう。
下の画像は、後半なので左方向にマリノスが攻めています。
今回のマリノスのシステムは、サイドには1人ずつしかおらず、そのサイドにいる唯一の選手が中に入り込んでくるシーンがありました。ですが、その空いたサイドに広がって受ける選手はいません。中盤の選手はサイドに寄ったりサイドの裏に抜けることはあっても、張っていることはなく、名古屋からしたら守りやすかったでしょう。
下の画像のような場面です。
左サイドの山中は中に入っており、左サイドには選手がいません。扇原が左に寄っていますが、別にサイドで張っている訳ではないので相手も広がりません。
右の松原は右にいますが、中に少し寄ってしまっているので、サイドで大きく相手を揺さぶることができません。
名古屋にとってしまっては、引いてしまえばそこまで怖くないマリノスの攻撃とおいう印象だったでしょう。
横浜F・マリノスのディフェンス面
ディフェンス面に関してはなるべく省略しながら説明します。(とはいっても、また長くなってしまいそうですが…)
マリノスはサイドが1人ずつしかいないので、攻撃面でも多少のデメリットがありました。
ですが、それは守備面でも同じです。
もしも、名古屋が再度攻撃を重視して、サイドで「1対2」の状況を作ってきたら、マリノスにとってはきつくなりそうだと、私も試合前には思っていました。
ですが、名古屋の両サイドハーフは中に入ってプレーすることが多く、サイドバックに関しても前半は基本的に上がってこないので、マリノスにとってはサイドに関しては守りやすい時間が続いていました。
ですが、前半40分。大ピンチを迎えます。
それが、気にしていたサイドで…
下の画像ですが、名古屋の左サイドバックの金井がゴール前でドフリーになり、シュートを放っています。(結局シュートは枠外に飛んだ)
ここまで名古屋のサイドバックがずっとオーバーラップをしていなかったので、マリノスの右サイドの松原は、ずっと名古屋のサイドハーフを見ていました。ここでもそのサイドハーフを見ており、その選手が中に寄っても同じです。その結果、警戒していなかったサイドバックに気付いていなかったからです。
この時の、名古屋のサイドチェンジは前線の選手経由で行われたので、マリノスのディフェンスは逆サイドに間に合いませんでした。もし、ボランチやディフェンダーを経由してサイドチェンジをしたらマリノスの守備は間に合います。
このプレーがあったからか後半には名古屋のサイドバックが、高い位置をとることも増えていた印象です。恐らくハーフタイム中にそのような指示が出たのでしょう。
その他に、マリノスのディフェンス面で気になったところは、
・ジョーへの対応 ・カウンターへの対応 ・チームとしてのプレスの位置
などです。
この試合の簡単なまとめですが、
といった感じです。
また、その他言いたかったことと言えば、
・マリノスはミドルシュートが以前よりも増えていた。得点もそう。 ・マリノスのGK飯倉が、3バックにより少し役割が減っていた。 ・ジョーへの対応が甘かった場面が多かったが、CKでは警戒していた
以上です。
ご覧いただきありがとうございました。
そのあと、マリノスの同点弾からマリノスのペースになったが、マリノスもその時間で2,3点目が取れなかった時、名古屋の選手交代から名古屋のペースに戻る。
そして最後のチャンスで決めきった名古屋の勝利。