横浜F・マリノスVS湘南ベルマーレ、試合分析Jリーグの戦術面

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こちらの記事は、私がJクラブで仕事を始める前の、2018年8月12日に公開した記事です。

こんにちは、TETSUです。

スペインでの生活に一区切りが付き日本に帰ってきているのですが、それから数週間もブログをサボってしまっていました…

スペインにいた時はまだ時間があったのですが、日本では何かと忙しく…

これからは、以前ほどではなくてもブログの更新を出来る限り頑張っていこうと思います。

 

そして今回は、このブログでは初となる、試合分析をしようと思います。

イングランドのプレミアリーグは開幕しましたが、スペインのリーガエスパニョーラはまだプレーオフの期間なので、Jリーグの試合分析を。

 

一応しっかりと試合分析をしようとしていますが、分析をしようとしたら細かい部分までじっくりと行ってしまい、いくら時間があっても足りないので、満足する記事の出来ではなくても、とりあえず見た試合で分析したくなった試合は1つずつブログにアップしていこうと思います。

 

これから私が主に試合分析を行っていくであろうチームは、「セビージャ」、「横浜F・マリノス」です。

本当は…「リーガの全チーム!」などと言いたいのですが、厳しいです(笑) 

高校生の頃の自分であったらそれも不可能ではなかったと思います。

その頃はセビージャの毎試合の試合分析をノートにまとめて、他の試合も基本的には見ていたのですが、今は高校生の頃と比べたら圧倒的に時間もないので、チームを絞って出来る範囲でやっていきたいと思います。

 

今シーズンの横浜F・マリノス

今シーズンの横浜F・マリノスは、また大胆にチームをリセットしてきました。

シーズン前も、シーズン開始時も私はスペインにいたのですが、マリノスは私がずっと好きなチームということもあり、少しは情報を追っかけていました。

数年前に中村俊輔などの主力を一斉に放出した時ほどの目立った衝撃は一見感じませんが、試合の内容や結果を見るとマリノスの変化を大きく感じます。

監督が変わり、数年間似たようなスタイルで戦っていたマリノスの戦術とは大きく変わった戦術で戦い、シティーグループの影響の大きさも感じます。

 

先週までの横浜F・マリノスの暫定順位は、14位。

リーグトップタイの得点数ではありますが、リーグトップの失点数です。

ここ数年間は、ずっと1桁以内の順位にいるマリノスにとっては考えにくいものです。

昨シーズンの天皇杯決勝、「C大阪vs横浜F・マリノス」の試合を見ていたのですが、去年までの戦い方を続けていたら、まだ今よりは良い順位にいることは出来たでしょう。

 

今シーズンのマリノスは、「1-4-3-3」のシステムで戦っています。

 マリノス 湘南ベルマーレ 横浜F・マリノス スタメン システム 試合分析

上のシステムは、湘南ベルマーレ戦のスタメンで、メンバーについては毎試合の変更などもありますが、システムは毎試合同じです。

ピボーテの選手(ボランチの下の扇原のポジション)がCBの間に下る、両SBが中に寄る、GKが高い位置に行く、、などの動きも多いですが、それらについては後ほど…

 

では湘南ベルマーレ戦の前3試合を見ての簡単な感想から…

 

FC東京戦 5-2●

・相手が中をしっかりとコンパクトに守備をすると、ポゼッションは高くても、相手ゴール、ペナルティーエリアには近づけない。

・サイドだけの攻撃に凝りすぎ。

FWにボールが渡れない。

・カウンターに対するディフェンスの弱さ。

・センターリングが単調で全く効果的ではない。

 

広島戦 1-4●

・セットプレーの弱さ。

・ディフェンスの距離感。

・選手のコンディション、疲労。

 

川崎フロンターレ戦 2-0●

・連動性のないプレッシャー。

Salida de balón(ビルドアップ)の距離感とミス。

 

と、まぁこんな感じですが、全てに関して、3つのどの試合でも言えることです。

 

この3試合の相手がJリーグの1,,3位であり、どのチームも好調で強かったのではありますが、ネガティブな面が多く目立っていたので、このような悪い結果になったのでしょう。

 

湘南ベルマーレ戦、マリノスの攻撃面

ここまで前書き等が長くなってしまいすみません。

ここから本題となる、今回の試合についてです。

 

まずは、攻撃面でのことで、気になることはたくさんあるのですが、いくつか説明します。

 

マリノスの攻撃のイメージとしては、

「ポゼッション(ボール保持)を低い位置からGKと共に実行して前進するが、前線の3人に繋げられるのであればシンプルに早く託す」

といった感じです。

 

ゴールキックでも、2人のCBが下がって広がり、間にはピボーテ(1人のボランチ)が下がってきたりし、ショートパスで繋げてきます。

なので、GKの飯倉も、ゴールキックを蹴るときには助走なしで準備をしている事も多いです。

湘南ベルマーレ戦でもこのようなシーンはありました。

下の画像のプレーでは、両CBの中澤とドゥシャンが広がり、その間にピボーテの扇原が落ちてきてボールを受け、ダイレクトでGKに返しスタートしました。

その際には、両SB含め全員が広がり、後ろにスペースを作って敵のプレッシャーを限定させていません。

 マリノス 湘南ベルマーレ 横浜F・マリノス スタメン システム 試合分析 

マリノスの攻撃は、細かくボールを繋いで前進をしていくこともありますが、相手ディフェンスの裏のスペースを使う事が湘南ベルマーレ戦でも多かったです。

FC東京戦などの、相手が引いて守備を固めてくるチームの場合ではそれが機能しにくいですが、前からプレッシャーをしてくるチームであれば裏も狙いやすいです。

 

ボールを自陣で奪った際にも、チーム全体でまずは相手を使うという認識があるでしょう。

恐らくその見本となるのが、ベガルタ仙台戦の1点目のプレーです。

この試合は2-8でマリノスが勝ったのですが、試合開始1分にボールを奪ったマリノスは、FWの伊藤に楔のパスを入れて、そのボールを受けたボランチの喜田が裏に長いパスを送り、ロングカウンターが成功します。

その長いパスを受ける左ウイングの遠藤は、チームがボールを奪った際に走り始め、喜田にボールが渡るとボールを要求しています。

(同じく逆サイドのウイングの仲川も前に走っています。)

そのまま攻め上がり試合開始1分での得点に繋がりました。

下の画像です。

マリノス 湘南ベルマーレ 横浜F・マリノス スタメン システム 試合分析

 マリノスの攻撃において一番の狙いはこのような形です。

仙台のようにここまで前に出てきてくれるチームであれば簡単に裏をつくことができますが、引いて守備をして裏にここまでスペースを作ってくれないチームだとこれが難しくなります。

また、質の高い縦のボールを前線に配給しなければいけないので、スペースが無い分更に難しくなります。

今回の湘南ベルマーレ戦でも、ベルマーレが前からプレスに行くことによって裏にスペースがあったので、裏を狙うというマリノスの狙いが何度も見受けられましたが、パスの精度が低く、上手く前線に繋がったのは半分以下でしょう。

ですが、その低い成功率の中での1つが得点に結びついて勝利しました。

 

また、そのパスを配給する際に重要なのは「角度」です。

単純に後ろから前に一直線にロングパスを蹴って前線に渡そうとするプレーが、CBSB、ピボーテ、ボランチの全選手で見られましたが、繋がる確率は低いでしょう。

後ろからきたボールを完璧にトラップできるのはネイマールなどの世界では数人だけですし、受けてはボールしか見られなくなるのでオフサイドにもなりやすいです。

なので、角度をつけて前にパスをした方が良いのに、全体の40~50%は角度をつけずに前への直線的なボールを出していた印象です。

もちろん、イニエスタやクロースのようなパス精度があれば不可能では全く無いですし、現に一直線のパスも数回は繋がっていましたが、それでも繋がりにくく、パスカットされていました。

パスの配給できる質を考えると、中盤には扇原、サイドにはブマルのスタメンの方が良いでしょう。

喜田がピボーテの位置に入った前節なんかは、ミスも目立ち扇原に比べて両サイドにボールを散らせません。湘南戦で得点につながった縦へのパスも扇原からでした。

ブマルに関しては、左利きの選手なので左サイドに渡ったボールをすぐに相手DFの裏に蹴られます。また、キックの精度も高いので、今回の試合でもブマルからFWのウーゴに直接アーリークロスが入りチャンスになったシーンも何度かありました。マリノスのキッカーは天野ですが、1度CKをブマルが蹴っていたので監督も彼のキックには評価しているのでしょう。もちろんドリブルにも良いものがあり、そのポジションに代わりに入る遠藤と比べると、ブマルの方がチームに合っているような気がします。

 

下の画像は2列目からの裏へのパスですが、この時はパスに角度がついているので、パスが渡りマリノスのチャンスになりました。

先程紹介した、ベガルタ仙台戦の1点目も角度もスペースも十分にあったので成功したのでしょう。

ちなみに前線3人の選手はしっかりと裏への意識があります。マリノス 湘南ベルマーレ 横浜F・マリノス スタメン システム 試合分析

 

また、マリノスのビルドアップ時にも気になる点は多かったです。

最終ラインの組立時は、GK→2人のCB→ピボーテ→2人のSBのような1----のようなポジションになっていましたが、それだとCBのパスコースが少ないです。

下の画像のプレーでは、

CBのドゥシャンがボールを持っています。

その際に両SBの山中と松原は真ん中に絞っていて、ピボーテの扇原は前に残っており戻りきれていません。

なので、サイドには前線のウイングの選手しかおらず、プレッシャーを受けているドゥシャンはパスコースがGKのみです。

一般的なチームだと、左SBが左サイドに張っているので、簡単にパスを出せます。

ちなみにドゥシャンは左サイドにドリブルで運び、左ウイングの選手の足元にパスを出す判断をして、ファールを受けられましたが、もう少しで奪われてピンチになるところでした。

 

SBが中央に動くことへは特に悪いとは思いませんが、状況によると思います。

湘南ベルマーレ戦でも、CBのパスコースが少なく、上手くビルドアップが出来ずに奪われてピンチになるシーンが多かったです。

CBは苦し紛れに前線にロングパスを出しますが、角度がなく、質も低くなるので繋がることもありません。

SBが中に寄ることによって、相手はプレッシャーをかけやすくなりますし、相手が前線からコースを限定してプレッシャーをしてボールを奪うことはそこまで難しくないでしょう。

SB松原がサイドに広がって受ける場面はまだありましたが、左サイドの山中は中にいる事が多く、パスが繋がりにくいプレーも印象的であり、

逆にSBが広がると簡単にビルドアップができていた場面がありました。

 

横浜F・マリノスのオフェンス面に関しては以上です。

 横浜F・マリノスVS湘南ベルマーレの試合の、ディフェンス面についての試合分析は「横浜F・マリノスVS湘南ベルマーレ、試合分析2ディフェンス面、Jリーグ」で行いましたので、是非合わせて御覧くださいませ。

 

ご覧いただきありがとうございました。




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