こんにちは、TETSUです。
今回は、ルイス・エンリケ監督の率いる、サッカースペイン代表の戦い方やメンバーをご紹介します。
森保監督率いる、サッカー日本代表の試合分析に関しては、「日本VSコスタリカ、サッカー試合分析。代表チームの戦術」でご紹介しております。
スペイン代表のシステムとメンバー
ワールドカップも終わり、サッカースペイン代表の監督には、ルイス・エンリケ監督が就任しました。
ルイス・エンリケ監督はバルセロナでも監督をしていたので、バルセロナの選手以外にもスペイン人選手を十分に理解しています。
そして、ルイス・エンリケ監督になったスペイン代表での初戦2試合、
VSイングランド 2-1○
VSクロアチア 6-0○
の結果のように、早速今後が楽しみな結果を出してくれました。
スペイン代表のシステムは下の図の通りです。
スペイン代表は、「1-4-3-3」のフォーメーションで戦います。
ポジション別に、ルイス・エンリケ監督のスペイン代表スタメン選手を、
GKはこれまでと変わらずに守護神デ・ヘア。ですが、チェルシーに移籍したケパも出場するポテンシャルは十分にあります。
CBに関しては、今までスペイン代表でコンビを組んでいたのはピケとセルヒオ・ラモスですが、ピケがスペイン代表を引退したので、誰をセルヒオ・ラモスと組ませるのかということになります。第一候補はナチョです。初戦2試合でもナチョがCBとして出場しました。
右SBはカルバハルとアスピリクエタ。バルセロナではルイス・エンリケ監督にSBで使われていたセルジ・ロベルトもスペイン代表に招集されますが、スペイン代表で彼は中盤でプレーをすることになります。
左SBはマルコス・アロンソとガヤが招集され、2人とも試合に出ました。今回はジョルディ・アルバが招集されませんでしたが、マルコス・アロンソに変わってジョルディ・アルバが入ってきそうです。
中盤の真ん中は、今まで通りブスケツがいます。彼を外さない理由は特になく、エンリケ監督との仕事時間も長いので今後も彼のままでしょう。2人目としてはアトレティコマドリードのロドリが候補です。
その前の2人中盤は、サウール、チアゴ、セバージョス、セルジ・ロベルトの4人が基本となります。2試合連続でスタメンだったのはサウールで、中盤の右でも左でもプレーができ、ヘディングも強く、守備も攻撃でも貢献できる点が評価されています。
両ウイングは、イスコ、アセンシオ、イアゴ・アスパスが基本となるでしょう。2試合に連続スタメンだったのはイスコですが、3人ともサイドでプレーをすることもできますし、ルイス・エンリケ監督の率いていたバルセロナのメッシやネイマールのように、中に入ってプレーをする才能と技術があります。
1トップはロドリゴがスタメンで出場しており、彼も臨機応変にサイドに流れることや裏への抜け出しも良いです。イアゴ・アスパもそこでプレーは出来ますし、他にはモラタが招集されました。
スペイン代表の戦い方
スペイン代表の攻撃の際には、先程にご紹介したシステム通り「1-4-3-3」でプレーをする以外に、「1-3-4-3」のような形に変化する事もあります。
下の画像です。
ブスケツが下がりCBの間へ、両SBが高い位置を取り、両ウイングは状況によって中に寄ってプレーをします。(「1-3-4-3」)
図では単純な選手の配置になっていますが、もちろん微妙に選手感でギャップを作ったり、相手の背中でボールを待ち、上手く(マークを外して)ボールを受けたりと、その辺りのセンスはスペイン代表らしくレベルが高いです。
エンリケ監督の率いるスペイン代表は、バルセロナのような「ポゼッションサッカー」として、全選手でのパスをしてボールを保持しながらの前進していく攻撃の他にも、「縦に早い攻撃(Ataque Directo)」として、状況によっては縦に早くゴールに迫るカウンター攻撃も併用します。
スペイン代表の選手の質と層を考えたらどちらでもできますし、併用も可能でしょう。私は縦に早い攻撃も行う方が良いと思います。
近年のスペイン代表は、ボールポゼッションばかり重要視し、サッカーで一番重要な得点を取る事への優先順位が低くなってしまうこともありました。私のスペイン人の友だちも、「ティキタカはシュートを打たないからクソッタレだ」なんて言っている人もいて、少なからずスペイン人の間でも問題になっていたので。
例えばゴールキックなど、スペイン代表が低い位置からの前進をしていく場面や、勝っている状況ではポゼッションサッカーで、しっかりとチームでボールを繋いでポゼッションをしていきます。
ですが、相手の裏にスペースがある時には、その相手の裏のスペースを狙う動きが何度も見られました。スペースがあったら、ポゼッションをせずに素早く縦にボールを入れていくという意味です。
下の画像でもそうです。クロアチア戦、スペイン代表の4点目。
ブスケツがボールを持っており、相手は前に出てきているので裏に大きなスペースがあります。
ですが、スペイン代表の後ろではしっかりと四角形を作っているので、後ろでボールポゼッションもすることも出来ますが、ブスケツは前への選択肢を探し、この時にFWのロドリゴは広い裏へのスペースを狙って準備をしています。
相手にマークされているので1本のパスで裏には出せませんが、その間にいるアセンシオがボールを受けて、そのタイミングでスムーズに裏へ抜け出しゴールまで一直線でした。
この他にも、ボールを奪った後に裏への意識が出ているシーンは多かったです。
スペイン代表の両SBは高い位置でプレーをすることが多く、オーバーラップも多用します。
その点からも、左SBは今回スペイン代表に招集された2人よりもジョルディ・アルバの方が適しているでしょう。今シーズンのバルセロナでの彼のプレーを見ても、彼がスペイン代表に入ると攻撃が活性化するのはイメージがしやすいです。
先程にも書きましたが、2人の中盤は攻撃にも守備にも貢献できるサウールがスタメンに定着しそうです。その控えとしてはセルジ・ロベルト。スペイン代表はSBが積極的に前に行くので、彼らなら空いたスペースをカバーするCBとブスケツのサポートができます。
その相方、チアゴやセバージョスはより攻撃的なタイプで、両ウイングが下がってきた時に彼らと良い関係性が作れ、2列目から裏へのパスも蹴れるので、中盤はとてもバランスが良いです。
FWが3人が中に寄って自由にプレーをし、SBが空いているサイドの高い位置に入り、後ろの意識もあるが前への攻撃力もあってヘディングの強いサウール。という流れがクロアチア戦でのスペイン代表の1点目です。
下の画像です。
スペイン代表は高い位置でのボールポゼッションをしており、相手を押し込んでいます。逆サイドSBのガヤはサイドに張ってボールを受けますが、高い位置にいるので相手のDFラインは上げられません。
その後ろのセルヒオ・ラモスにボールが渡り、スペイン代表は両サイドの深い位置までボールをポゼッションしつつ攻撃しているので、クロアチアは全員が下がってしまい、セルヒオ・ラモスへのプレッシャーが遅れます。
セルヒオ・ラモスが余裕を持ってボールを持つと、3トップのイスコ、ロドリゴ、アセンシオは中央に寄り、相手の間から出て背後のスペースを狙います。先程の4点目のシーンと同じです。
ですがボールは逆サイドのカルバハルへ。逆サイドではガヤと同様にカルバハが高い位置にいるために、フリーでボールを受けサイドチェンジができました。
サイドに相手を揺さぶって、カルバハルからのクロスに、サウールが入ってきて得点です。
スペイン代表のディフェンスの戦術としては、「プレッシャー」として、ボールを奪われた位置から全員で距離感を詰めて積極的にプレッシャーをしてディフェンスをする戦術で、その際にはDFラインもハーフェーライン程まで高く設定することがあります。これに関してはバルセロナと同じように、ボールを奪われた時にすぐに選手が囲むような状態です。
ですが、相手が高い位置までボールを運んだ場合には、「1-4-5-1」の各ディフェンスラインを作り、ゾーン2からの守備になります。
ご覧いただきありがとうございました。
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