こんにちは、TETSUです。
スペインに行き、日本に帰ってからは、小学生年代を中心にサッカー指導をしておりましたが、
先日、お世話になっている指導者の方の繋がりで、Jy(ジュニアユース、中学生年代)のクラブチームの練習を1日だけ担当する事が出来ました。
本当に急に、たまたまでした。(笑)
その練習ではディフェンスの練習を行うとのことで、練習メニューも自分が作る事になったので、作ってみたのですが、
気合が入ったのか、そこそこ良いディフェンスでの練習メニューを構築する事が出来ました。
私オリジナルの練習メニューなので、今回作成した練習メニューをこのブログで紹介しようと思います。
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練習メニューのテーマ
今回の練習メニューのテーマは、「ディフェンスでの、速いドリブラーへの対応」でした。
始めにこのテーマを聞いた時には、面白い練習メニューのテーマだと思いました。
年:U15 人数:15人 時間:80分・20分
上記の内容が、今回のディフェンスの練習メニューを考察する上での詳細です。
そこから、私は次のようなObjetivo(目標)を設定しました。
技術面:Entrada(タックル)、Interceptación(インターセプト)
自分が初めて見る選手達という事もあり、選手達のレベルが全く分からなかったので、今回の練習メニューの難易度や求めるレベルの設定などを決めにくかったのですが、
U15のカテゴリーでは習得しておかないといけないディフェンス面の個人戦術と集団戦術の能力として、妥当な内容を踏まえ練習メニューを決め、あとはその都度の状況によってレベルの上げ下げをできるようにしました。
そして、今回のディフェンスの練習メニューは3つの局面に分けて設定しました。
2.数的優位の状況でのディフェンス集団戦術、でのドリブラーへの対応 3.ドリブラーへの対応をしやすくする状況を作る、ディフェンス集団戦術
特に面白く出来たのは、3つ目の練習メニューです。
順に紹介します。
1.ドリブラーとの正面での個人的対応(1vs1)
まずは、アップも兼ねた簡単なドリブラーへの対応をするディフェンスの練習です。初歩的なものから徐々に発展させていきます。
サッカーでは1つ目のセッションから、その日に行う練習メニューに関連付けたアップをする事が大切です。
ルール:
2人組になり、2人が前後に並びます。
前向きになっている人がオフェンス、後ろ向きになっている人がディフェンスです。
オフェンスがジョギングで前向きに走るので、ディフェンスはバックステップやサイドステップでオフェンスに対応します。
ディフェンスはオフェンスとの距離感を保ち、抜かれずに対応すること。
バリエーション:
・オフェンスはジグザグに走る
・オフェンスはダッシュも加えて、ディフェンスはそれに対応する
・右(左)サイドをイメージして、内側に行かせないようにディフェンスは対応する
・オフェンスはドリブルで、ディフェンスは取り所でボールを奪う
・右(左)サイドをイメージして、内側に行かせないようにディフェンスは対応する
この練習メニューの状況は、ドリブラーがスピードに乗っている状況で抜かれない事が目的。
次のメニューは、ゴール前などで、ドリブラーの前で対応しシュートをブロックするイメージ。
先程のはスピードに対応する、これは、アジリティー(俊敏性)への対応。
ルール:
2人組になり、2人が前後に並びます。
前向きになっている人がオフェンス、後ろ向きになっている人がディフェンスです。
ディフェンスの後ろの方向に、ミニゴールなどを設置する。
オフェンスがボールを保持している状態からスタートで、オフェンスはラインの後ろでプレーをする。そしてミニゴールへのシュート。ディフェンスはラインの後ろでプレーをする。
ディフェンスはオフェンスとの距離感を保ちながら対応して、シュートをブロックするイメージ
バリエーション:
・オフェンスは横方向と縦方向にもドリブル可能。ディフェンスのエリアに入ってきたらボールにプレス可能。
・2×1。オフェンスのシュートはエリアに入ってから。パスは後ろのエリアでしか受けられない。
ポイントと課題
1. ディフェンスの体の向き
「足を揃えて対応しない為にどうするか・相手を見るために・ターンをしないために」
2. ドリブラーについていくためにどうするか
「相手のスピードに応じて動作を変える・重心を下げすぎない・有利な状況をどうつくるか」
3.ディフェンスはどこに立つか
「相手とゴール→ボールとゴールの間・いつ距離を詰めるか」
4.相手に何をさせないか
「抜かれない、シュートをさせないためにどうするのか・何を止めるのか」
2.数的優位の状況での集団戦術、でのドリブラーへの対応
次は、ディフェンスが数的優位の状況から、相手のドリブラーに対応していく練習です。
ここでは、守備の基礎戦術として「Cobertura(ディフェンス面でのカバー)、 Permuta(ディフェンスでのカバーのカバー)」についてを行います。
ルール:
オフェンスはボールを持つ、その横に2人のディフェンスが並んだ状態でスタート。
オフェンスはコーンまでドリブルし、ディフェンスはコーンまではボールを奪わずに対応する(1つ目の練習と同じように)。
・オフェンスが①(内側)の方向にカットインしたら、そのまま1✕2で対応する。1人がプレスでもう1人がカバー。
・オフェンスが②(外側)の方向にドリブルしたら、ディフェンス1人が抜かれたと仮定し、Permuta(ディフェンスでのカバーのカバー)を行い、もう1人のディフェンスがプレスに行く。
バリエーション:
・ボールにプレスに行くのは1人まで。
・2✕2
・3✕3
ポイントと課題
1.ディフェンスの距離間
「相手、ディフェンス同士・スピードに対応できる距離」
2. Cobertura の位置
「相手に余裕がないような距離・体の向き・我慢し出る・近づきすぎない・何を狙うか」
3. Permutaの体の向き
「何の為のPermutaか?・何を見るか・位置によって向きを変える」
4.2✕2でどこを狙い警戒するか
「抜かれないのか、奪うのか・2人目のPermutaはパスカット、Cobertura、ブロック」
3.ドリブラーへの対応をしやすくする状況を作る
3つ目のディフェンスメニューは、今回の練習メニューでのメインのトレーニングです。
ここまでは、少し簡単で基礎的なメニューでしたが、3つ目でより実践的なディフェンスの形にします。
ここまでは「速いドリブラーへの対応」として来ましたが、この3つ目のトレーニングメニューは、
「速いドリブラーに、危険な位置に入らせない」という事に重点を置きました。
「ドリブラーに危険な位置でドリブルをさせずに、ディフェンス側の対応がしやすい状況に持っていく」ようなディフェンスのイメージです。
練習メニューの説明の前に、いくつかのイメージを選手と共有をしました。
4バックのラインがあったとして、サイドバック(SB)の選手が一番使われたくないスペースはどこでしょうか。
一番使われたくないのは、「自分の背後、自分とゴールの間」のスペースです。
下の図で言うと、1番から4番の順番に、使われたくないスペースに優先順位をつけることができます。
これを踏まえた上での練習メニューです。
ルール:
コートが下図のように分かれています。
中央のエリアの中で、ディフェンスは4バックを作っています。オフェンスは5人が並びます。
コーチからの合図があるまで、オフェンスはボールを横に動かし、ディフェンスはスライドとカバーリングをしながら、各スペースの中で連動しラインを崩さずにディフェンスをします。
コーチの合図があったら、各エリアは関係なく、オフェンスはゴールに攻撃ができますが、各エリアにボールを動かしてからです…
{バリエーション}
・1か4のエリアにパスをしてから(片方のサイドから攻めてクロス)
・1か4か3のエリアにパスをしてから
・1~3のエリアにパスをしてから
・3か4のエリア(逆サイドへのサイドチェンジあり)
・フリー
オフサイドあり。
ディフェンスは、まずはラインを統一し、裏となる1と2のエリアへのパスコースを切り、相手の攻撃を遅らせ、相手の攻撃を4のエリアからに限定し、自分たちのリズムでディフェンスを対応できる状況を作る。
それが出来たら、2つ目の練習メニューと同じでCoberturaとPermutaを繰り返し行うイメージ。
オフェンスは、まずは片側のサイドのみで攻撃しクロスを上げる。ディフェンスが慣れてきたらサイドチェンジありに。
最初の横にボールを動かす時に、ディフェンス間にオフェンスを立たせて、パスを受けたらそのままゴールまで攻撃できるオプションを加えても良し(下の画像のように)
ポイントと課題
1.ºディフェンスは何を、どこを1番やらせないか
「1へのパスコース・縦への突破」
2. 体の向き
「前にあるとき・1を限定する時・後ろに行ったら・CBと逆サイドのSB」
3. CoberturaとPermuta
「2つ目のメニューと同じ・ボールサイドで数的同数や数的優位」
4.ディフェンスラインの統一
「距離間・カバーの優先順位・逆サイドのCBとSB」
さいごに
今回は、Jy(ジュニアユース)の練習を担当できてとても楽しかったです。
ディフェンス面のテーマに合わせて良い練習メニューを構築できたと思いましたが、少し内容を詰め込み過ぎたので、もっとゆっくりと重点的に行なっても良かったとも感じました。
そして、実際に用紙にまとめたものがこちらです。
3つ目の練習メニューは、シメオネ監督のやっているディフェンスの4ラインのトレーニングメニューを発展させたようなもので、そこそこ難しいものです。
そんな時こそ、コーチの実力が試されます。自分もまだまだ未熟だと感じました。
今回の練習で自分としての改善点も多く受けたので、もっと反省して改善していかないとと、良い刺激を受けられました。
また、機会があれば、是非行いたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。
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